2018.09.11 宝塚月組エリザベート
先日、宝塚月組公演
エリザベート~愛と死の輪舞~
を観てきました。
メインキャストはこんな感じ。
トート 珠城りょう
エリザベート 愛希れいか
フランツ 美弥るりか
ルキーニ 月城かなと
トート役の珠城りょうさん。
美しかったです。黄泉の帝王ですので人間ではないということを意識して役作りをされたそうです。確かにオーラや佇まいが独特でよかったです。
特に、感じたのはルドルフを闇が広がるを歌うシーン。ニヤッとした笑い方が不気味で「こいつの魂、手に入れた。」と顔で物語っていました。
長身を生かした、手足の使い方が非常に美しく、そして恐ろしい。
宝塚は再演するたびに、髪形や衣装、メイクなど演じる女優さんに合わせてアレンジされます。
今回のトートは前髪の生え際から紫があしらってあり、メイクもそれに合わせて青~紫のアイシャドー。珠城さんのお顔にとっても似合っていました。
では、次。
エリザベート役、愛希望れいかさん。
今回のエリザベート終了時に宝塚を退団されることが決まっており、今作のエリザベートは卒業公演です。
声質がエリザベートにぴったりです。
エリザベートは少女時代から晩年までひとりで演じなければいけない難しい役ですが、さすがトップ娘役。
徐々にエリザベートがひとりの少女から一国の皇后としての貫録を感じさせる素晴らしい演技でした。
エリザベートの名シーンといえば「私だけに」。
王家に嫁いで早々、姑ゾフィからいびられ、信頼する夫フランツにも期待する対応をしてもらえず、命を絶つこともできず、そんな中で歌うこの曲。
歌いだしの「嫌よ 大人しいお妃なんて」から感情がしっかり入ってました。
「でも見失わない 私だけは」はとてものびやかな声。
「でも!」が特にいい。
絶望の中からエリザベートが自分の生きる道を切り開いていく希望を見つけたシーン。舞台を走り回り自由を見つけた喜びをからだいっぱいに表現されていました。
そして2番の後半「自由に生きるぅのぉぉぉ~!」
もうたまらん!! すごい迫力!!
1番の後半から自由の光を見つけたエリザベートが、自由と引き換えに厳しさももって生きていくという生きる覚悟を決めたように見えました。
愛希さん自身は鏡の間のシーンが1番緊張するそうです。
エリザベートといえば鏡の間!ですもんね。
あの白いドレスにあの特徴的なヘアー。
美しすぎて、神々しすぎて息を飲みました。
冗談じゃくなくてほんとですよ。口がぽかーんと空いてしまいました。笑
以前、記事に書いたこのシーンです。「ただ、私の人生は私のもの」
煮え切らない態度の夫フランツに対して高らかに宣言するシーン。
皇后として生きることより、自分らしく、自立したひとりの女性として生きることを決意するエリザベートには心をぐっと掴まれました。
エリザベートを見たことがない人にとっては、さっぱりわからないと思いますが、1度観ればこの美しさ、強さ、気高さ、きっと伝わるはず!!
そして今回1番心に残ったシーンは、
2幕の最後にトートとともに歌う「愛のテーマ」。
暗い曲調で始まるんですが、徐々に音が変化していき最後は「私だけに」のメロディになります。
トートが歌う曲は曲の最後に「エーリーザーベーーート!!」と歌い上げる曲多いですが、この「愛のテーマ」ではそのフレーズがありません。
いつもCDを聞いてるときは高らかに「エリザベーート!」って言ってくれないとなんか物足りないな~と思ってました。
でも、今回の観劇で感じたのは、あえて「エリザベート!」と歌わないことによって
この曲が終わっても、ふたりの世界は永遠に続いていくことを予感させているのかなと思いました。そして、ふたりの心がようやく通じ合ったから、名前を叫ぶ必要がなくなったのかなと思いました。
二人で寄り添いながら昇天していくところ、ほんとに美しくて印象的でした。
<まとめ>
どのミュージカルもそうですが、
舞台鑑賞は 何度観ても楽しめる! 何度観ても新たな発見がある!
そんな非日常な体験が沼にハマる理由だと思います。
皆さん、ぜひ劇場へ!!
もか